とりとめもないのですが、はじめます!
今日のテーマは「リラの人心掌握」がゾッとするほどおぞましい件について、トーマス監督の発言から勝手に解釈して深堀を楽しみたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします
人心掌握とは
人心掌握(じんしんしょうあく)とは他人の心を意のままにすること。意図した方向へ他人の心をうまく向かわせること。
辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書|人心掌握
セリフ的にもっと嚙み砕いて「人心掌握」を表現するなら、「あの人って人の懐(ふところ)に入り込むのが上手いよね~」などになりますね。
いますよね、「人たらし」っていうか、一瞬で人の心に取り入ってしまう人。
Twitterであるキャバ嬢さんが言ってたんですけど、接客業って「人心掌握」のような心理術を用いるそうで(そりゃキャバ嬢さんなんて言ったら大金を使ってもらわないといけないわけなんで)、そのキャバ嬢さんは、相手によって態度を変えているとつぶやいていましたね。例えば、同年代は盛り上がりに来ているので楽しくワイワイ騒ぐ、中堅よりやや上の人には低姿勢で相手を立てたの方がいい。中堅以上のお金持ちにはあえてため口でフランクに対応すると喜ばれるなどなど・・・すごい接客技術です。。。
相手によって姿を変えるって、カメレオン??
はい、シーズン3第1話のリラです。
リラというキャラクターについて
とにかく嘘つき
個性というか、リラというキャラクターを紹介する上で避けられないフレーズは「噓つき」ですね。
リラは高いプライドを持っていて、リラは嘘をつくことによって周囲からの注目や羨望のまなざしを欲しているようです。その欲するレベルがただの承認欲求にとどまらず、ミラキュラスの世界観の中での絶対のスーパーヒーローであるレディバグと対立してしまうほどに、高いプライドを持っています。
Twitterを見ていると、リラのこの性格は、他の国のミラキュラスファンの中でも同じ認識のようです。とにかくリラは、誰かが自分よりも注目されたり愛されたりすることが耐えられません。マリネットがリラが嘘つきであるという事実を明らかにしようとしたときにリラは開き直っているように見えますし、そもそも嘘をついたことに対する後悔を示していません。手段を厭わない感じに、私は勝手にリラを「サイコパス女」だと思っています。
アクマタイズされていない本当の悪魔
私は勝手にリラを「サイコパス女」だと思っているので、アクマタイズされていない本当の悪魔はリラだとさえ思っています。
虚言癖のレベルはすでに超えていて、自分がついた嘘が「真実を侵食していて当然」というような底なしの「邪悪さ」を感じるんです。
例えば、「カメレオン」でリラが自発的にアクマ化されています。通常ミラキュラスのセオリーでは、アクマタイズされてその人の繊細な感情が肥大化して表面に出てくるのですが、リラはリラのまま。リラにとっては、アクマタイズされている、されていないは関係なくて、そもそもの性格が「邪悪」なので同じ性格のままなんですね。だってもし、本当にアドリアンのことが好きで仲良くしたいと思っているなら、アドリアンに成りすましアドリアンの好感度を下げるような嫌がらせをする必要ってありますか?アドリアンに成りすましてのアドリアンの悪行を世に知らしめて何の得もないのに腹いせで実行しちゃうんですよ、邪悪ですよ。
リラのキャラクター
- 狡猾で卑劣な嘘つき
- アクマタイズされてなくても邪悪
トーマス監督のリラの怖さを示す発言
元々、トーマス監督とファンの間でこんなやり取りがあったようです。
どうしてクラスメイトたちは、リラの嘘に簡単に騙されてしまうのか?どうしてそんなにバカなの?というファンの声があるのを知ったうえで、
(ファンの心理は、リラの嘘にも腹を立てつつ、リラに懐柔されているクラスメイトたちのなんて浅はかなんだと呆れている)
Fandom: How can they be fooled by Lila's lies ? How can they be so stupid ?
Me: Exactly my mood at each election result.
— Thomas Astruc ⏚ (@Thomas_Astruc) December 1, 2018
簡単に和訳すると、
どうしてクラスメイトたちは、リラの嘘に簡単に騙されてしまうのか?どうしてそんなにバカなの?(リラに懐柔されているクラスメイトたちの浅はかさに呆れて怒っているファンの声がある)
この痛烈なファンのツッコミに対して、トーマス監督は、政治の問題を引き合いに出して、各選挙結果での私の気分のようだとジョークで返します。
つまり、トーマス監督の主張としては、そんなこと言うなら僕だって馬鹿だなぁって思うこと世の中にいっぱいあるよっていうジョーク混じりの攻撃なのか、はたまた、あーわかるわかる僕も世の中は馬鹿ばっかりだとと思うよという共感なのか、本心はわかりませんが、どちらにせよ熱心なファンを一枚上手のジョークで知的にかわしていると言うことがわかります。
トーマス監督的に言えば、「ま、そう熱くなるなよ」ってことなんでしょう。
確かに、リラの嘘つきにまんまと操られているクラスメイトにイライラする気持ち、わかる!!!
視聴者はリラの嘘もそうだし、リラの嘘に簡単に洗脳されているクラスメイトたちにもイライラしていると思う!!!
でもそんなイライラしているファンに対して、ジョークで切り返しているトーマス監督は実にクールでいいと思う(笑)
そして、問題はその次のやり取りです。
そんな冷静なトーマス監督の言葉を受けて、ファンが食い下がります。
That is acceptable. What is unacceptable is Max thinking a napkin can break through his glasses and gauge out an eye.
— Ben (@ZheBlueEyedDog) December 2, 2018
受け入れられないのは、マックスがナプキンが眼鏡を突き破って目を怪我するかもしれないと考えていることです。
これファンが挙げているシーンは、「カメレオン」のエピソードを言っていますね。
クラスメイトがリラを簡単に信じてしまうので、ランチタイムにニノとアルヤに真実を伝えたマリネットがアルヤに「リラの話が嘘だって証明できる?」と言われ、リラに向かってナプキンを投げた(パスした)んですよね。
リラは直前に手首を捻挫していてランチの準備ができないとクラスメイトたちに嘘発言をかましているので、マリネットとしてはリラの手首の捻挫も嘘だろうと思っているわけです。リラが捻挫で負傷しているはずの手でナプキンをキャッチする事でリラの嘘を暴いてクラスメイトたちの目を覚まさせようという行動なんですが、
マリネットの思惑通り、確かにリラは捻挫中のはずの手首でナプキンをキャッチして、マリネットが「ほーれ見たことか!へっへーん」ってなるんですが、リラは、本当に根っからのペテン師なので、「インドに行ったときにナプキンの角が当たって目にひどいけがをした人を見たの。キャッチしないとナプキンでマックスが怪我しちゃうと思って・・・」って急にしおらしく言うんですよ!!!
マックスはマックスで、リラに「君は命の恩人だ!」とか言ってるし・・・というシーンです。
このシーンを引き合いに出して、熱心なファンは、ナプキンの端が目に当たって怪我するなんて馬鹿馬鹿しすぎる!みたいなことで熱くなっているんですけど、その時のトーマス監督の解答が私にはゾッとするものだったので紹介します。
It's a very special storytelling technic not many people are familiar with. Not all viewers are able to understand it. It's called: a joke.
Its purpose is to make the audience realize how powerful Lila is in an humorous way.— Thomas Astruc ⏚ (@Thomas_Astruc) December 2, 2018
簡単に和訳すると、
これは非常に特別な仕掛け(つまり、語り手が相手に伝えたい思いやコンセプトなどを物語の中で誘導している)ストーリーテリング技術なので、すべての視聴者がそれを理解できるわけではありません。
その目的は、ユーモラスな方法でリラがいかに強力であるかを視聴者に認識させることです。
つまりですね、
トーマス監督はそもそも、すべての視聴者が理解できるわけではないと断った上で、(視聴者がミラキュラス製作側から試されているっぽくて今時点で軽く恐怖なんですが)
マックスの演出によって、リラの「狡猾で卑劣な嘘がいかに強力であるか」を視聴者に認識させることが目的としていると言っています。
あの世界においてマックスはクラスメイトの中でどんな存在ですか?
ダーク・キューピッドでは、おとぎ話の授業でファンタジーの中に確率論を持ち込んだ子で、非常に現実主義者だな~て感じの人物でしたよね?
私たちの中でのマックスは、非常にインテリジェントで、事実・統計から事実を導き出すのに優れている賢い人物だったはずなんです。そんなインテリジェントなマックスが「紙ナプキンで目を怪我する」と言う、レベルの低い嘘のあり得ない話であっても、リラの発言をあっさり信じたうえ、さらに「命の恩人だ!」と感謝している。リラの発言を一切疑わずに盲目的に受け入れているということ自体が、リラの人心掌握を語るにはこれ以上ないエピソードなんです。
万が一、リラの言うとおり、「インドに行ったときにナプキンの角が当たって目にひどいけがをした人を見たの。キャッチしないとナプキンでマックスが怪我しちゃうと思って・・・」というのが真実だったとしましょう。にしても、いやいやいや、マックスはメガネしてるから、ナプキンの角が当たってマックスが怪我するわけがないんですよ(笑)
そんなこと落ち着いて考えれば誰だってわかりますよね?でもクラスメイトはそんな簡単なリラの嘘も見抜けないほどすでにリラに骨抜きにされているんですよ~ってことを、トーマス監督はマックスの演出によって伝えたんですね。
リラの「狡猾で卑劣な嘘がいかに強力であるか」を視聴者に認識させることが目的なので、これはマックスでないと成り立ちません。例えば、キムであれば、キムのキャラクターの性質上、ほらキムって体育会系のお馬鹿さんキャラ(ファンの人ごめんなさい)的なところがあると思うので、そもそもリラの嘘を疑うという発想をもってないないですよね。キムがリラの馬鹿みたいな話を信じても、視聴者はまあキムだし・・・ってなると思います。マックスと同じメガネをかけているキャラでいうとサブリナはどうでしょう?サブリナもダメでしょうね。サブリナのキャラクターの性質上、いつもクロエの言葉を鵜吞みにしているので、サブリナがリラの馬鹿げた嘘を信じても、リラの人心掌握がいかにすごいものかという説得力がありません。
非常にインテリジェントで、事実・統計から事実を導き出すのに優れている賢い人物であるはずのマックスが、リラの発言を一切疑わずに盲目的に受け入れて、リラの馬鹿みたいな嘘を簡単に信じたうえで、さらに「命の恩人だ!」と感謝しているからこそ、リラの人心掌握レベルがいかに高く、そしてどれほどまでにおぞましさかということが視聴者に届くんですよね。
ということで、こんな何気ない日常シーンが、リラの人心掌握を語るにはこれ以上ないエピソードになっていたんだよというストーリー構成に気がついたときに私はゾッとしましたね。しかもトーマス監督がTwitterですべての視聴者が理解できるわけではないと言っちゃってるのが更に怖いですよね。わからない人はここで切り離されて、物語の認知レベルが違ってきますから。トーマス監督はミラキュラスをどこまで作り上げているんですか?ミラキュラスはどこまで深いんですか?と聞きたいです。
一筋の希望アドリアンがわかってくれているという救い
リラの嘘で苦しくなるマリネットなんですが、苦しい学園生活の中でもちゃんと希望は残されていて、リラの本性をアドリアンは知ってくれているんですね。(救いがあって良かったです)
リラを信じないのは、マリネット(レディバグ)、アドリアン(シャノワール)、ティッキー、プラッグ、カガミだけです。見てくださいこの選ばれし心の清き者たちを、面構えが違う(笑)
ちなみに、ティッキーいわく、「リラは以前に出会った誰よりも嘘をついた」と思っているので、ティッキーはあの可愛い外見とは異なり随分とお歳を召してですから軽く5,000歳とかでしたよね。人類の黎明期以前から存在していたティッキーでさえもうならせる嘘の量ってリラすごくないですか?!!!
アルヤを含むマリネットのクラスメイトとバスティエ先生がリラの本性をいつ知るのかは不明なので、我々もリラの嘘にいちいちキリキリすることのない強い耐性を持たなければいけませんね。
リラの名前について
リラという名前は、イタリア語で「美」と「ライラック」を意味しています。
Lilaは、フランス語の吹き替えでは「lee-lah」、英語の吹き替えでは「lie-lah」と発音されます。発音の変化は「嘘」をなぞったかもしれませんが、名前からすでにリラが嘘つきであるとほのめかしていると思います。
まさに英語の「嘘」に似ていることから「リラ」という名前が選ばれた可能性がありますね。
まとめ:リラとマックスのやり取りに込められたストーリーテリング
- 熱心なファンがナプキンの端が目に当たって怪我するなんて馬鹿馬鹿しすぎる!とリラの嘘を疑いもなく信じるマックスを非難
- その時のトーマス監督の解答がゾッとするもの
- 非常にインテリジェントで賢い人物であるはずのマックスが、リラの発言を一切疑わずに盲目的に受け入れている
- 何気ない日常シーンでリラの人心掌握レベルがいかに高いかを伝えている
- トーマス監督がTwitterですべての視聴者がこのストーリーテリングを理解できるわけではないと言ってる
以上、好きなように書き散らしさせていただきました~
ここまでお読みいただきありがとうございました。