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向井くんはすごい!(上)コミック紹介|漫画レビュー・感想

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向井くんはすごい!|(上)ももせしゅうへい

上下巻で完結している作品です。

作品紹介

向井ゆうきはゲイである。
それは彼のクラスでは、周知の事実であった。
彼に理解を示す友人もいる一方で、黒い感情に包まれる者たちもいる……。

友達。恋人。同級生。
でも、言えない気持ちは、みんな、みんな、たくさんある。

大人気WEB漫画が加筆修正のうえ、描き下ろしを加えて上下巻同時発売!

 

引用:コミックシーモア

 

感想

ポップな表紙とは裏腹に「骨太なテーマ」でした・・・

この作品は、NHKで放送中のびじゅチューン!を手掛ける井上亮さんがTwitterで紹介していて読んでみることにしました。井上亮さんのセンスはやはり裏切りません!
向井くんはすごい!という作品は、表紙のポップなフォント、笑っているクラスメイト達の和やかな表情で学園モノユートピアかよ!と思わせておいて、その中身は実にリアル( ^ω^)

事の発端は、クラスのグループラインでの「向井ってホモなの?」という発言から向井くんのゲイバレが起きるのですが、クラスメイトにバレるというのは大きな問題ではないのです。というのも、向井くんの持つポテンシャルで彼はクラスのヒエラルキーのトップ集団にいるから。実は、このストーリーは向井くんに焦点をあてつつ、その向井くんの周りにできる影の部分に人格を当てて「青春」を描いています。

 

まず、キーパーソンとなる4人の男子高校生について、

  • ストーリーの中心で語られるテーマを背負った向井くん
  • 自分を隠して生きてきた森谷(もりや)
  • 臆病者で承認欲求の塊の寺西
  • 表面的な理解者でも実は厄介なヤツ斎藤

向井くんだけは別格で、悟りを開いているかのように自信満々に自己肯定しているのですが、ゲイを内緒にしている森谷、臆病者の寺西、受け入れられない斎藤の3人は、まだまだ悩みの渦の中という感じです。その葛藤が、リアルでどの立場に入れも理解し合える部分・理解し合えない部分がありました。

例えば、ネット依存の森谷が「まっくろくろすけ」というアカウントの発言に夢中になっている部分、実は立場の全く違う斎藤もまた森谷と同じ「孤独」を背負っていることが分かります。斎藤は、彼女もいて、友達もいて、恵まれているけど「困っている人の存在にも気づいて欲しい」とSOSを出していたりします。表面的に見れば、向井くんの友達の斎藤くん・・・でも受け入れるのもカミングアウトするものお互い思うものはあるよねといった感じ。

ここまではいい。

問題は、アップデート言い出した奴らの面倒くささですよ。とにかく、LBGTを勉強しようよ!と言い出すアップデート系のウザさがリアルですよ。勝手に正義感を振りかざして、LBGTをネタに自己ブランディングしている感じが読んでいるだけでイラつくんです。イラつきの正体は、自分の心地よいことを認めようとしていること。そしてその目線が「助けてあげよう」的な、上から目線であること。でも、あの取り巻きたちがいないと自分の認識って改められないと思うし、真面目な人ほどLGBTにド真ん前から突っ込運で行きそうなので反面教師にしたらいいと思う。教材でいうダメなパターンの典型例が、スクールカースト上位の可愛い女子だったり、森谷に近づいてきていた高校デビューの渡辺だったりします。

 

ひと言

「向井くんはすごい!」上巻を読みました。なかなか考えさせられるストーリーで、向井くんは多くを語らないし、語ってもポジティブな発言ばかりなので、エンターテインメントで期待させる「カミングアウトまでの葛藤」とかはないんです。でも、そもそも「カミングアウトまでの葛藤」を期待していることが見当違いだということを、彼らが主催する勉強会という場所で気付かされるという構成になっています。オープンにしていると大変でしょう?という下衆な考えっていうのが否定される感覚。

下巻では、引き続き森谷くんの心の声をメインに、さりげなくいい味を出している斎藤くんに注視して読み進めたいと思います。影の人格、森谷・寺西・斎藤くんを通して、また新しい発見がありそうです。生きていれば誰だって悩んで苦しい時はある、でも自分にはへっちゃってこともある。ゲイとかそんなの関係ない。みんな悩んでいるし、みんなへっちゃら。そんなもんです。

 

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  • この記事を書いた人

りのへよ

▶︎育児&趣味&仕事についてのブログ運営中▶︎情報収集が好きだけど忘れっぽい30代ワーママ▶︎5歳と0歳の5歳差育児中▶︎カネなし趣味なし友達なしのないない尽くし▶︎数字は苦手・・・でもポイ活&セール情報は大好き▶︎エンタメ好きなので作品レビュー記事多め※当ブログではアフィリエイト・Google AdSenseによる広告を掲載しています

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